メンター通信 バックナンバー
| 日時 | タイトル |
|---|---|
| 2023/06/27(火) 08:00 | MFBメンター通信 :「話題の映画『怪物』考」 |
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MFBメンター通信
「話題の映画『怪物』考」
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こんにちは。人間力研究所 MFBメンターの
Ennea ヒロこと 湯田博和 です。
人間力研究所とは、誰もがメンターと相談相手を持てる世の中づくりを目指し、
MFBメンターを育成している一般社団法人です。
※本稿は、映画のストーリーの核心に触れる記述を含みます。
未見の方はご留意されたし。
皆さまはもうご覧になりましたでしょうか?
カンヌで脚本賞を受賞しただけあって、憎らしいくらい良くできた作品ですよね。
YouTubeやSNSでは、観賞後の解釈魔ごっこの様相を呈しています。
登場人物の台詞やシーンの意味をめぐっての。
チラシのタイトル「怪物だーれだ?」の扇情的なコピーも相まって。
かく言うわたし自身も、強い刺激を受けました。
50年前(半世紀前!)、第二次性徴期真っ只中の自分が毎日、
なにを考え、なにを思い悩み、なにを夢見、なにに飢(かつ)えていたのか。
忘れた(忘れていたい?)記憶を、まざまざと想起させられた気がしています。
映画は3部構成で、主に①母親の視点、②担任教師(男性)の視点、
そして③湊という男の子(小学5年生)の視点から、
同じ時系列の出来事が繰り返し描かれます。
舞台は、大きな湖のある地方都市と小学校、
そして郊外にある依里が見つけた秘密基地です。
湊は、クラスメイトの依里(男の子)に対して
ある特別な感情を抱いています。
冒頭の駅前雑居ビルの火災シーンは、3つのパートを識別させる
重要なメルクマールとして3回使われるのですが、
湊の内面に生じた性的衝動と、その特別な感情のメタファーとしても
機能しているように思います。
火はもう燃え盛っているわけです、大人にも消せないくらいに
(誰が火をつけた犯人なのかは本筋ではなく)。
炎=性的衝動を伴った感情の正体こそ、この映画の真の主人公なのかも。
湊の感情のゆくえを、成就するや否やをふくめて、
ラストで台風一過の朝、わたし達は目撃することになるわけです。
渦中に巻き込まれ、結果、振り回され、内面を晒されるふたりの親たちや、
社会的制裁を受けることになる教師や、同級生たちの姿と共に。
湊の父親は亡くなっていて(特にこの分野のテーマの導き手であるはずの父の不在)、
依里には母親が居ません。
ふたりのクラス担任の保利先生が、新任だと言うのがミソですよね。
他の先生たちは、特に校長(女性)と前任の男性教師が薄々、
気付いている描写のようにわたしには映りました。
クラス中に笑われたという湊の作文、
「(大人になったら)シングルマザーになりたい」は、
文字通りそのまま取っていいのだとわたしは思いました。
湊の母親は、自分への愛情と感謝の表現として、
不器用だけど母想いの優しい子だと受け取ります。
音楽教室での、校長と湊の会話シーンが秀逸でした(記憶での再現)。
湊「(好きな子がいて)人に言えないから嘘ついてる。
幸せになれないって、バレるから」
校長「誰かにしか手に入らないものは幸せとは言わない」
「誰にでも手に入るものを幸せって言うの」
(そこに坂本龍一の「祈り」の曲が重なって)
わたしの解釈はこうです。
「普通こうでしょ」の「ふつう」に依拠した幸せなんて目指さなくていいの。
偶々、社会的性的マイノリティに生まれたとしても、幸せを追求する権利はある。
ふつうかマイノリティか、そこを超えたところにある「幸せ」を追求しなさい。
湊の顔が生き生きとして、依里と向き合うと決意したように見えました。
校長先生は、孫の命の教訓と引き換えに、補償行為のようにして、
湊の秘密を最後まで守ると決めたのだと思います。
保利先生の処遇は明らかに不条理で、理不尽な、組織の生け贄です。
彼にも救済の道は用意されていて。
ふたりの秘密の暗号文(鏡文字)を解読するのは保利先生なのでした。
新米教師の保利先生から、わたしは、アメリカ禅で言うところの、
「ビギナーズ・マインド(初心者の心)」を想い起こしました。
禅では「初心」と言い、目覚めを表すメタファー、
人生を生きるうえでの指針とします。
「初心者の心には多くの可能性がある」
「しかし専門家と言われる人(熟達者)の心には、それはほとんどありません」
と教えています。
個人的には、依里の家の風呂場で、湊が依里をバスタブから助け出すシーンが
官能的で、印象的でした。
はじめ不自然にも思いましたが、まだまだ力の弱い湊が、
ズブ濡れの依里の体を救い出すには、自分の体ごと重ねて預けて、
自力で外へ這い出ようとするほかないだろうと。
是枝裕和が、本作で描いた唯一のエロティックなシーンで、
見応えがありました。神聖なものを感じました。
湊と依里が見せてくれたビギナーズ・マインドの初々しさの中にこそ、
「世界が生まれ変わる」ためのヒントが隠されていて、
わたしはバトンを手渡された気がしました。
ジョルジュ・バタイユが言うように、人間のエロティシズムの本質は、
禁止を侵犯することにあります。
映画「怪物」も過去の名作と同じように、
この古典のテーゼを踏襲しているように、わたしには思われるのでした。
<了>
さて、人間力研究所には、
様々な専門知識やスキルを持った個性的なメンターが勢揃いしています。
クライアントとして、カウンセリングを受けるも良し、セッションで癒されるも良し。
私たちメンターとつながって、「自分の道」を見つけてみませんか!
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心理テストで自分のことを知ることができ、
セッションでメンターとお話することでより深い理解を得ることができます。
簡易心理テスト+MFBメンタリングセッション30分を
3,300円で提供しています。(お一人様1回限りの特別料金)
https://mfbmentor.com/apply/
ぜひお試しください。
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Enneaヒロこと 湯田博和のプロフィール:
https://mfbmentor.com/official-enneahirokazu/
最後までお読みいただきありがとうございました。
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東京都港区三田3丁目1―5 第1奈半利川ビル3階
TEL:03-5765-1127
mail:info@mfbmentor.com
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かく言うわたし自身も、強い刺激を受けました。
50年前(半世紀前!)、第二次性徴期真っ只中の自分が毎日、
なにを考え、なにを思い悩み、なにを夢見、なにに飢(かつ)えていたのか。
忘れた(忘れていたい?)記憶を、まざまざと想起させられた気がしています。
映画は3部構成で、主に①母親の視点、②担任教師(男性)の視点、
そして③湊という男の子(小学5年生)の視点から、
同じ時系列の出来事が繰り返し描かれます。
舞台は、大きな湖のある地方都市と小学校、
そして郊外にある依里が見つけた秘密基地です。
湊は、クラスメイトの依里(男の子)に対して
ある特別な感情を抱いています。
冒頭の駅前雑居ビルの火災シーンは、3つのパートを識別させる
重要なメルクマールとして3回使われるのですが、
湊の内面に生じた性的衝動と、その特別な感情のメタファーとしても
機能しているように思います。
火はもう燃え盛っているわけです、大人にも消せないくらいに
(誰が火をつけた犯人なのかは本筋ではなく)。
炎=性的衝動を伴った感情の正体こそ、この映画の真の主人公なのかも。
湊の感情のゆくえを、成就するや否やをふくめて、
ラストで台風一過の朝、わたし達は目撃することになるわけです。
渦中に巻き込まれ、結果、振り回され、内面を晒されるふたりの親たちや、
社会的制裁を受けることになる教師や、同級生たちの姿と共に。
湊の父親は亡くなっていて(特にこの分野のテーマの導き手であるはずの父の不在)、
依里には母親が居ません。
ふたりのクラス担任の保利先生が、新任だと言うのがミソですよね。
他の先生たちは、特に校長(女性)と前任の男性教師が薄々、
気付いている描写のようにわたしには映りました。
クラス中に笑われたという湊の作文、
「(大人になったら)シングルマザーになりたい」は、
文字通りそのまま取っていいのだとわたしは思いました。
湊の母親は、自分への愛情と感謝の表現として、
不器用だけど母想いの優しい子だと受け取ります。
音楽教室での、校長と湊の会話シーンが秀逸でした(記憶での再現)。
湊「(好きな子がいて)人に言えないから嘘ついてる。
幸せになれないって、バレるから」
校長「誰かにしか手に入らないものは幸せとは言わない」
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偶々、社会的性的マイノリティに生まれたとしても、幸せを追求する権利はある。
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保利先生の処遇は明らかに不条理で、理不尽な、組織の生け贄です。
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新米教師の保利先生から、わたしは、アメリカ禅で言うところの、
「ビギナーズ・マインド(初心者の心)」を想い起こしました。
禅では「初心」と言い、目覚めを表すメタファー、
人生を生きるうえでの指針とします。
「初心者の心には多くの可能性がある」
「しかし専門家と言われる人(熟達者)の心には、それはほとんどありません」
と教えています。
個人的には、依里の家の風呂場で、湊が依里をバスタブから助け出すシーンが
官能的で、印象的でした。
はじめ不自然にも思いましたが、まだまだ力の弱い湊が、
ズブ濡れの依里の体を救い出すには、自分の体ごと重ねて預けて、
自力で外へ這い出ようとするほかないだろうと。
是枝裕和が、本作で描いた唯一のエロティックなシーンで、
見応えがありました。神聖なものを感じました。
湊と依里が見せてくれたビギナーズ・マインドの初々しさの中にこそ、
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わたしはバトンを手渡された気がしました。
ジョルジュ・バタイユが言うように、人間のエロティシズムの本質は、
禁止を侵犯することにあります。
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この古典のテーゼを踏襲しているように、わたしには思われるのでした。
<了>
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クライアントとして、カウンセリングを受けるも良し、セッションで癒されるも良し。
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